まめちしきvol.16「展覧会の準備はどれだけ大変なの?」

細迫諭の作品展より

展覧会の舞台裏は涙ぐましい努力の連続だった!

展覧会が開かれるまでに画家はどのような準備をするのでしょうか?

自分で会場を申し込んだり、または画商や百貨店から展覧会開催のオファーが来たりして会期が決定すると――画家はまず、作品のテーマや会場に合わせた作品点数を決定して制作を開始します。(構想したまま、なかなか制作しない人もいます。)

また展覧会の招待状に使う作品のことを考えます。
「ハガキにしようかな、それとも折りパンフにしようかな。コメントはどんな言葉にしようかな。」
作家本人が決定したり画商と話合ったり。

数か月前になると、招待状のデザインを開始し、同時にメディア向けのプレスリリースの用意を始めます。一人でも多くの方々に自分の作品を見てもらうために、新聞やTV、ラジオ、雑誌、最近ですとネット記事に少しでも多く展覧会情報を採り上げてもらうために準備をします。(しない人もいます。)

まだまだ先と思っていた展覧会会期も、なぜかあっという間に目の前に迫ります。
1か月前、制作は佳境を迎えています。多くの画家が「お尻に火が点いてからが勝負!」と、時には徹夜をしながら制作します。そうそう作品価格も決定しないと。
販売をする展覧会の場合には、作品の売価を画商と確認したり話し合います。

その他にも画家はやることが多いです。できあがった作品には額を用意しなければいけませんし、黄袋や差し箱の注文をしたり、作品に作家の名前を書いたシールを準備したり、作品が販売できるように準備をします。これは画商がやることもありますし、販売を目的としない展覧会では、額装しないこともあります。

会期3週間位前になると、お客様に招待状をお送りし、昨今はSNSでせっせと宣伝します。(しない人もいます。) また会場に搬入する算段もします。画商が作品を取りに来てくれたり、自分で作品を発送したり。

会期1週間前になるとアドレナリンが漲っているので多少無理しても疲れを感じません。搬入当日には寝ずに会場に来る画家も多いです。そして設営時は作品を飾る位置について作業者にディレクションします。自分で設営する画家もいれば、画商にお任せする人もいます。

そして無事に作品が設営されると・・・・・いそいそと帰宅し初日に向けて会場に置くポートフォリオ(作品の画像や説明をいれるファイル)を準備したり、名刺を用意したり・・・・大抵準備半ばで寝落ちします。

ついに迎えた初日。多くのお客様の称賛の声を聞きながら、画家は「頑張って良かった!」と思うのです。

ひとつの展覧会の裏に実はこのような涙ぐましい努力が隠されていたのです。
これからは展覧会の見方が変わるかもしれませんね。

 (ライター晶)

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