マグノリアが咲く by 齋藤悠紀

 昼間は暖かいですね。白木蓮が満開に咲きました。青空を背景にあまりに鮮やかでしばらく見入ってしまいます。白い鳥が止まっているよう。よく見ると上向きに閉じたような変わった咲き方をします。

 
 調べてみると学名はMagnolia denudata
 Magnoliaはモクレン属、denudataは裸の、露出したという意味。Magnolia(マグノリア)はMagnolさんというフランス人に由来するそうです。

 

 そういえば以前「マグノリア」という映画を観ました。上映中に気になって勝手に期待していたのですが、あまりヒットもせずあっという間に映画は終わってしまい、その後忘れずいぶん経ってから大学で進められてやっとDVDを観ました。
 いい映画だと思いました。あの時の期待というか勘は正しかった。
 たくさんの主役が出てきます。というか全員脇役みたいな映画です。
 その人たちそれぞれの人生のある瞬間にスポットライトをあてて話は進みます。感情移入できる人、理解不能な人、滑稽にすら見える人。でも他人の真剣にやることをずっと観ていたら多かれ少なかれ滑稽に見えてしまうものなのかもしれないなあと思いました。

 何かが変わり、何かを変え、その人の人生にとってだけとても重要な変化が起きます。それは他の人から見たら他愛ない小さなことですが、本人は人生をかけての一大事であり、その人の人生の価値が瞬間に浮き彫りにされるような、劇的で味わい深い内容だと思った覚えがあります。そういうのって案外よく起こる気がします。溜まりに溜まったものが一気にあるきっかけでぐるりと変化するというようなことが。
 

 どうして「マグノリア」というタイトルなのかは分かりませんが、そう言えばマグノリアはある日突然大きな真っ白な花が満開に咲いて人を驚かせますね。でも蕾は寒い時期にゆっくりと膨らんでいます。大げさに言えば表面化するのをみてそれがマグノリアの木だったとはっと気付くような劇的な変化を遂げます。見事な純白としっかりとした肉厚さ。しばらく楽しめそうです。

 

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